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【Unity】講演紹介:いかにして個人制作ゲームで生きていくか 〜スマホゲームレッドオーシャンの泳ぎ方〜 by いたのくまんぼう さん

投稿日:2018年3月13日 更新日:

Unite 2018 の開催も迫ってきているので、改めて昨年 Unite 2017 の講演の中で、おすすめのものでも紹介していこうかなと思います。

Unite 2018 公式サイトはこちら

講演動画

スライド

内容紹介

Unite での講演ということで、本ブログでは一応【Unity】のカテゴリに入れていますが、講演中で Unity についてはほぼ触れられていません。

この講演は、Unity などの開発技術やノウハウを取り上げた内容ではなく、「個人開発者として如何に生きていくか」という『業界研究』に近い内容になっており、開発者でない方でも楽しめる内容だと思います

以下では特に印象的な箇所を、いくつかかいつまんで紹介していきます。

個人ゲーム開発者という生き方

個人ゲーム開発者の生き方は、大きく3つに分類されます。

  1. 会社で働き、余暇の時間でゲームを作る
  2. フリーランスとして働き、時間を配分してゲームを作る
  3. 個人ゲーム開発を生業にする

ご想像の通り、上の方が安定下の方が不安定、となります。

講演者の いたのくまんぼう 氏は、現在 3. にあたる方ですが、3. は基本的に修羅の道なので、そこを目指すとしても、1. → 2. → 3. と段階を踏むのが良い、とされています。

ちなみにですが、自分の場合は個人ゲーム開発者としての経歴はまだありませんが、分類としては 1. から 2. へ移ったところ、と言えますね。

個人開発スマホアプリ流行の変遷

完全に趣味でやるならともかく、個人ゲーム開発で「稼ごう」と思うと、やはりトレンドを掴むための市場調査は欠かせません。

スマホアプリ個人開発の最前線で活躍されてきた いたのくまんぼう 氏がまとめられた、スマホアプリのトレンドの変遷が、以下のようになります。

  1. ネタ系エンタメアプリ
  2. カジュアルゲーム
  3. 放置ゲーム
  4. クリッカー系
  5. 脱出ゲーム

(あくまで個人開発ゲームのトレンドですので、いわゆるソーシャルゲームのようなものは含まれないものと思われます)

1. は、ゲーム性以上にシュールさやインパクト重視というタイプでしょうか。人の目を引くことの重要性という意味では、今でもどんなジャンルでも、普遍的に重要な要素を含んでいると言えそうです。

2. はスマホ操作との相性を意識した作りかと思います。タップやスライドといったシンプル操作で反応を変化させる、コンシューマゲームで言うところの『メイドインワリオ』や『星のカービィシリーズのミニゲーム』のようなタイプです。

3. と 4. は操作の面以上に、使用者の隙間時間を意識した作りかと思います。プレイ技術やリアルタイムの思考といった面をあまり必要とせず「考えなくても楽しい」もしくは「考えるタイミングが限定される」タイプのゲームです。

このように、単純なゲームから始まり緩やかに複雑化していく中で、5. は行き着いたジャンルの1つかと思います。スマホで求められる「複雑な操作を必要としない」「短い区切りでプレイできる」といった要素を備えているのが、相性が良いのでしょうか。

売り込むためのブランド磨き

世の中、面白いゲームを作れば売れる、という綺麗事は残念ながら通らず、広報活動も重要な要素になってきます。

メディアへの売り込み(今どきであれば、Youtuber の方への売り込みなども選択肢の1つになります)や、SNS での拡散などは当然、誰もが思いつく広報活動になります。

また、開発者として行えることとして、「SNS での拡散を意識したゲームデザイン」というものも存在します。

いたのくまんぼう 氏のアプリの中には、あえてレアな事象の出る確率をコモンとあまり差を付けないことで、プレイヤーに「なんかレアが出た!」と拡散してもらいやすくする、といった工夫がなされているそうです。

他に個人がやれることとして、個人のブランド力を磨くことによって、強力な訴求力を得ることができます。

個人ゲーム開発者のブランド力といえば「あの人のゲームは世界観が素敵」や「いつもシュールな絵面で笑わせてくれるよね」といった、ゲームの内容も当然含まれ、そこからプレイヤーがリピーターになる、といった結果につながることも多いかと思います。

が、他のブランディングのアプローチとして、この講演では「開発者自身のブランド」に関しても紹介されています。

いたのくまんぼう 氏は、和尚と呼ばれる和服姿がとても印象に残る方です。

「この会場の中で私のことを探すとして、もし私の顔を覚えていなくても、和尚という要素で見つけてもらえる

「イベント会場でもらった名刺を見返して、その人の顔が思い出せない、ということは少なくない。しかし私の印象はきっと覚えてもらえる

原文ままではありませんが、こういった内容のことをおっしゃられています。

そして、開発者自身を覚えてもらうということは、それが縁につながり、さらにコラボなどにもつながりやすくなってきます。

 

以下、私見になりますが…。

個人のブランドを磨くというのは、個人ゲーム開発者に限らず、今の時代とても重要になって来ると思います。

もう少し掘り下げて言うと、今は「個人が活動をしやすい時代」「個人が発信をしやすい時代」になっていると思います。

フリーランサーの人口は年々増加し、イラスト、小説、動画、音楽…などの創作物の発表の場に困ることもありません。

90年代のネットワークの発展、00年代のブログシステムなどの整備、10年代の SNS の流行…。どんどん個人が発信をしやすくなり、同時に個人のブランド力を身に付ける手段は身近になっています。

自分がブログを始めたのもまた、フリーランスとしてやっていくにあたり、少なからずこういったことを考慮しています。

SNS 全盛の時代に、あえてブログ?という感想もあるかも知れませんが、やはり個人の考えや思いを表現して綴るには、ブログという媒体は SNS よりも適していると思います。

というわけで、みんなもブログ始めよう!

 

…もっとかいつまんだ内容にするつもりだったのに、ずいぶん長くなってしまった。

他の講演も紹介したいのだけれど、大丈夫だろうか。

-Unity, スライド紹介, 講演紹介

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