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【ゲーム音楽】スクウェア作品おすすめアレンジ CD 特集

投稿日:2019年1月6日 更新日:

私は90年代スクウェアの RPG が大好きです。

幼少期に『ファイナルファンタジー5』や『聖剣伝説2』などの作品と出会っていなければ、こうしてゲームの仕事をしていることも無かったかも知れません。

これらの RPG は、今プレイしても十分に楽しめる作品が多いのですが、特に『FF7,8,9』や『ゼノギアス』など PS1 時代の重厚長大な作品は、要するプレイ時間の関係でなかなか遊ぶ機会を作ることが出来ない場合もあります。

そんな時はゲーム音楽を BGM にして過去に遊んだ名作での体験に思いを馳せるのも良いのではないかと思います。

現『スクウェア・エニックス』は、このような90年代 RPG 作品のアレンジ CD の販売を現在も積極的に行っており、今回はその中でもオススメの CD をいくつか紹介したいと思います。

作曲者本人によるアレンジアルバム

Re:Tune Romancing SaGa Battle Arrange(伊藤 賢治 氏)

イトケン こと 伊藤 賢治 氏 による『サガシリーズ』の楽曲といえば、バトル曲の人気が高く、本アルバム以前にも『Re:Birth II』シリーズとしてロックアレンジのアルバムが多く発売されていました。

一方で、本アルバム『Re:Tune Romancing SaGa Battle Arrange』では、「バトル曲を、ロック以外にも様々なジャンルへアレンジする」というスタイルになっています。

四魔貴族バトル2』や『決戦!サルーイン』などのトラックは、馴染み深いロックアレンジなのですが、そのほかの楽曲は、ジャズ風ハウス風弦楽ピアノ、など…。

非常にバリエーションに富んだラインナップとなっていて、作業用 BGM として持ってこいです。

個人的に特にオススメしたいのは、オシャレにアレンジされた『バトル2』と『クジンシーとの戦い』、そして激しくも美しいピアノアレンジの『ラストバトル(ロマサガ3)』です。

公式サイトでは、伊藤 賢治 氏各アレンジへのコメントも合わせて視聴が出来るので、気になった方は一度覗いてみるのも良いのではないでしょうか。

Re:Tune Romancing SaGa Battle Arrange | SQUARE ENIX

ゼノギアス アレンジヴァージョン CREID(光田 康典 氏)

ゼノギアス』発売当時にリリースされた、光田 康典 氏 によるアレンジアルバムです。

ゼノギアス』という作品に対する世間のイメージといえば、「いいえ。わたしは遠慮しておきます。」でお馴染みの物語の後ろ暗さや、あるいは『ギア』と呼ばれるロボットを操ったバトルなどが注目されがちですが…。

本作はケルト音楽風のアレンジが中心となっており、『ゼノギアス』の世界に住む人々の牧歌的な生活、あるいは生活に寄りそう宗教の神秘的な面などが描かれているように感じます。

オススメのトラックは、踊りだしたくなるような村のお祭り酒場の盛り上がりを表現した曲調の『LAHAN』をはじめとして、人気キャラのテーマを、前半は静かに後半は軽快にアレンジをした『BALTO』、『ゼノギアス』の世界を語る上で欠かせない「教会」の雰囲気をコーラスで演出した『CREID』あたりでしょうか。

アレンジはとてもバリエーションに富んでおり、『プロキオンスタジオ』の公式サイトでは「ゼノギアスのアルバムというより光田康典のアルバム」といったような語り口で記されています。

ゼノギアス アレンジ・ヴァージョン ~CREID

また『ゼノギアス』のアレンジアルバムは、発売から10年以上が経過した 2011 年に『-MYTH- The Xenogears Orchestral Album』もリリースされており、こちらは一貫したオーケストラアルバムとなっています。こちらもオススメ。

クロノ・トリガー&クロノ・クロス アレンジアルバム / ハルカナルトキノカナタへ(光田 康典 氏)

引き続いて 光田 康典 氏 による、『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』のアレンジアルバムです。

このアルバムに関しては、『クロノシリーズ2作、特に『クロノ・クロス』へのネタバレは避けられないため、その点についてご了承ください。

収録されている楽曲は、『時の傷跡~ハジマリノ鼓動~』『風の憧憬』『時の回廊』など、どれもいまだに高い人気を誇る作品ばかりです。

しかしこのアルバムは、ただ人気の楽曲を並べているだけではなく、『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』の2作の物語を、「あるキャラクターを通じて結ぶ」ことをコンセプトに制作されています。

構想 約5年、「ただのアレンジアルバムにはしない」という 光田 康典 氏想いが詰まった、氏なりの解釈による『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス2作をつなげた物語が、数々の名曲のアレンジによって表現されています。

サラとキッドの物語を音楽と歌詞で紡ぐ。光田康典氏に訊く、構想5年以上『クロノ・トリガー』&『クロノ・クロス』アレンジアルバム制作秘話

↑当アルバムに関する、光田 氏 へのインタビュー。シリーズのファンで、まだ読んでいない方は必見です。 

全10曲中、6曲がボーカル入り。さらにキャラクターのコンセプトに担当ボーカリストを合わせるという徹底っぷり。『ゼノブレイド』のエンディングテーマ曲を歌い上げた サラ・オレイン さん も参加されています。

オススメのトラックは…、もちろん全曲通して聴くべきではあるのですが…。『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』それぞれの物語を締めくくるエンディング曲である『ハルカナルトキノカナタヘ』と『RADICAL DREAMERS』は、このアルバムを象徴するトラックになっていると思います。

インタビューでも言及されている通り、10曲曲数は決して多いアルバムではないのですが、光田 氏 らしい、静かに、しかし強く心を打つ楽曲たちは、曲の数など気にならないぐらいの満足感を与えてくれます。

ちょっと気持ちが乗りすぎて長くなってしまったので、作曲者本人以外の手によるアレンジアルバムはまたいつか…。

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